楽譜の種類
五線譜
ポップスやクラシックなど、西洋音楽発祥の音楽の記譜に使われているので、一般的に最も普及しているタイプ。名前の通り5本の線上に音符♪と休符を時系列に配置して音楽を表現してあります。
文字譜
● タブ譜(タブラチュア譜)
文字譜の中でも文字譜と数字譜を組み合わせて主にフレット楽器のスコアに用いられて親しまれているのが、タブ譜(TAB譜/タブラチュア)です。
ギターやベース、ウクレレや(一部三味線なども)のギター系フレット弦楽器にある特有の奏法やテクニック表記や、ボックスポジションを指定した確実性と表現性のある独特の表記法です。(開放弦も含めた異弦同音程のポジション判別もキチンと出来る)
● 工尺譜(漢字譜)
中国や日本、朝鮮など漢字圏の国で伝統的に使用されていた漢字譜です。
漢字で音名を表してあります。
● 文化譜
主に三味線の譜面に使用される楽譜で、調子(チューニング)の種別や一の糸〜三の糸それぞれの押糸のポイントをタブ譜的に表わしてあります。
● 工工四(くんくんしー)
主に、沖縄三線(三線)の譜面に使用される楽譜です。男弦・中弦・女弦の押さえる場所と休符を文字を使って表現してあります。
● その他文字譜
その他、大正琴や二胡などの古典的な和楽器も、独自の文字譜で表せれることが多いです。
一線譜
主に、和楽器を含む打楽器の譜面の記譜に用いられます。音階が存在しないという前提の打楽器の場合、1本の線(リズムのみ)のみで表現が可能です。
図形譜
〈変わり種〉主に、現代音楽を楽譜化する際に用いられる記譜法。
一般的な五線譜などでは表現しきれない現代音楽の世界観を表現する為に発案されており、その名の通り「図形」「絵柄」「文字」などを使って自由な発想で視覚的に楽曲を記してある。
また近年では、図形譜自体がアートという捉え方にもなっています。
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五線譜の種別
五線譜にも、その利用目的別に応じた、とても多くの種別があります。
スコア(フルスコア・総譜)
楽曲(主にオーケストラ)を演奏する上で、楽器編成中すべてのパートをまとめて書いてあります。
バンドスコア
一般的に、ポップス・ロックを中心としたライトミュージック編成(ドラム・ベース・ギター・ピアノ・キーボード・パーカッション・シンセサイザーなど)の楽器編成中すべてのパートをまとめて書いてあります。市販譜の場合、コード譜も合わせて記載してある場合が多い。
コンデンススコア
フルスコアから、演奏上必要なパートのみを抽出し省略化されたスコア。
形式や段数などのスタイルは、編曲編成により様々なスタイルがある。
ピアノ譜(大譜表)
上段にト音記号、下段にヘ音記号を配置した、音域が広いことが特徴の鍵盤楽器用の楽譜です。
パート譜(ソロ譜)
奏者が、自分の演奏に必要なパートのみを抽出した楽譜。総譜やコンデンススコアの場合、1ページに含まれるパート毎の情報量がどうしても少なくなる為、譜めくり(ページめくり)作業の頻度が増えてしまうことになる為、個人練習や自分の演奏専用にはパート譜が多く用いられる。
連弾譜
一般的に4手連弾・6手連弾の為のピアノ連弾用の譜面。まれに8手連弾や10手連弾のアレンジもある。
弾き語り譜
ピアノやギターなどを用いて伴奏を行いつつ、同時にボーカルを歌う為の楽譜。
一般的に、コード譜(リズム付きコード譜の場合も多い)と歌メロ譜(歌詞)の組み合わせで記譜される。
メロディー譜
ポップスの場合、コード譜と主旋律が同時に記されることが多い。
合唱譜
混声2声以上の合唱楽曲用の楽譜。原曲にコーラスアレンジが施されたものを指す場合と、合唱用の楽曲の声楽パートのみ・もしくは声楽パートにピアノ伴奏などの伴奏パート譜を加えたものを指す場合がある。
リードシート(マスター譜・Cメロ譜)
メロディー主旋律と、コード進行のみが記載してある細かいアレンジ指定をしていない楽譜。
主に、スタンダードジャズやポップスのスタンダードをセッション形式でそれぞれのプレーヤーが実際の打合せでアレンジを詰めたり、演奏中にインプロビゼーションで自由度を持たせて演奏することが目的の場合に用いられます。曲の構成とリズム上の「キメ」や、メロディー上の「キメ」がわかればOK!という簡素化されたものをリードシートやマスター譜・Cメロ譜と呼びます。
マスターリズム譜(リズム譜)
コード譜に、リズム上の「キメ」やシンコペーション部分のリズムをプラスしたものです。
主にリズムセクションやバッキングセクションのプレーヤー用の譜面です。
コード譜
調号とコード進行を、反復記号を用いてコンパクトにまとめた楽譜です。
ドラムスコア
ドラムセットを用いた演奏を、・キック(バスドラム)・スネア・タムタム各種・シンバル系各種を五線譜上に(実際の五線譜上の音名とは関係なく)配置して表現したドラムセット用のスコアです。
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